レターセットとカリグラフィーで楽しむ、手書きの美しさ

　最近、SNSやウェディングアイテムで目にする機会が増えてきた「カリグラフィー」。

　道具と向き合いながら、インクの濃淡や線の動きを楽しむ筆記技法です。

　書く時間がゆっくり流れ、気持ちが落ち着くような感覚があり、趣味として始める方も増えています。そんなカリグラフィーと相性が良いのが、手紙を書くためのレターセットです。今回は、手書きが好きな方へ向けて、カリグラフィーとレターセットの魅力をご紹介します！

　カリグラフィー（Calligraphy）は、ギリシャ語で “美しい書き物” を意味します。

　つけペンやガラスペン、筆などを使い、筆圧やペン先の角度によって線の太さを変化させながら書いていきます。そのため、文字に自然なリズムが生まれ、言葉が持つ雰囲気をそのまま紙の上に映し出すことができます。ウェディングボードやショップカード、贈り物に添えるメッセージカードにもよく使われており、 ひと文字ひと文字を丁寧に書くことで、伝えたい気持ちをやさしく届けられる筆記法です。

　練習帳のガイドラインに沿って線を引いてみると、まず感じたのは「まっすぐ書くことの難しさ」です。ほんの少し手首の角度が変わるだけで線が揺れ、太さを揃えたい気持ちとは裏腹に、表情が安定しませんでした。書き進めるうちに姿勢を整えたり、呼吸をゆっくりしたり、 線を引くという小さな動作に心を向けることで、だんだんと書く時間そのものが心地よく感じられるようになりました。

　そして、もうひとつ驚いたのがペン先のメンテナンスです。インクが少しでも残ったまま乾いてしまうと、ペン先に錆が出ることがあります。 錆びたペン先は紙に引っかかったり、線がギザギザになったりして、思うように線を引けません。そのため、使用後は水でよく洗い、しっかり乾かすことが大切だと痛感しました。

　手間はかかりますが、道具をきちんと扱うことで筆記がスムーズになり、「今日はきれいに書けたな」と思える瞬間が増えていくのは、カリグラフィーならではの喜びです。また、インクを少量ずつ色々な色で揃えるのも、楽しみの一つになっています。

　カリグラフィーで書く文字は、書かれた言葉だけではなく、手紙そのものの雰囲気をやわらかく整えてくれる不思議な力があります。

　たとえば、便箋の冒頭に「Thank you」や「Hello」を添えると、受け取った方の気持ちがふっと明るくなるような、温かい印象が生まれます。

　また、封筒の宛名をカリグラフィーで書くと、封を開ける前から特別な雰囲気が伝わります。インクの濃淡や書き手の筆圧がそのまま味わいになり、手書きならではのおだやかさを感じていただけます。忙しい毎日の中で、あえてゆっくり時間をかけて書く行為は、自分自身にとっても心を整えるひとときになります。

　筆者も、自分の書いたカリグラフィー文字を便箋の控えめな位置に印刷してみたところ、「自分だけの便箋」ができたようで、手紙を書く時間がいっそう楽しみになりました。書いた文字がそのままデザインになり、長く残ることが嬉しく、手書きの魅力を再発見できる経験でした。

　デジタルツールが便利な時代でも、手書きの文字には独自の温かさがあります。ゆっくり書くことで、気持ちが穏やかになり、手紙を受け取った方にもそのやさしさが伝わります。好きなインクやペンを手に取り、世界にひとつだけの“わたしのレターセット”で手紙を書く時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

　封筒専門店の「封筒屋どっとこむ」では、そんな皆さまの想いを形にするお手伝いをさせていただきます。ご予算や、封筒・便箋のご希望の数量（ロット）に合わせて、最適な組み合わせをご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。