封筒屋通信2026年1月号

【 始まりの1頁:新・星物語 】

あけましておめでとうございます。
より一層、紙や封筒のことを届けてまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2026年の幕開けは「新・星物語」からでございます☆彡



新星物語
 

ランダムに散りばめられた銀色の星たちが
輝くこの紙は「新・星物語」という名前で、
表面には仄かなエンボスがあり、
裏面はつるっとしています。
銀色の模様は両面に漉き込まれているため、
フタを開くだけで星空が広がります。

「110kg」「150kg」「180kg」と
比較的に厚手の展開となっておりますので、
封筒だけでなく、パッケージや箱物にも
お使いいただけますし、遊び紙などに使用するのも
おしゃれですね。

そのままでも高級感を演出できますが、印刷をすることで
よりスタイリッシュに仕上げることが可能です。
こちらの紙で作るレターセットなども、とても可愛らしいですね♪

🌕今月の封筒サンプル🌙


通信と同じ「パウダー」で114x162mmの窓付き封筒を作成しました!
はがきが折らずに入る洋2サイズのため、非常に使いやすいです。

封筒の上部には半月型と丸型の窓を加工しております。
「新・星物語」という名前にちなんで、星空をイメージしたデザインにしてみました。

本来、風合いが損なうため、エンボスのある紙へのベタ印刷は避けるのですが、
どうしても紙の模様で月を表現したく、全面に印刷してみました。
少しでも封筒製作の参考になれば幸いです。

丸窓や変形窓は型代こそかかりますが、デザインを更に引き立たせることができます。
当店では様々な形状で作成ができますので、ぜひ一度お問合せいただけますと幸いに存じます。
(蓮池)

現場レポート

[窓付封筒]

封筒サンプルについて現場の皆さんにお話を伺いました!

▼断裁(Kさん)

紙を揃える『紙揃え機』から『断裁機』へ移動させるわずか数歩の距離。
いつもなら何気ない動作ですが、今回は違いました。
揃えたはずの紙束が、まるで氷の上を滑るようにバラバラと崩れようとするんです。
一瞬も気が抜けない作業でした。

▼エキセン(Kさん)

続くエキセン工程でも、その「滑り」に翻弄されました。
束を掴むだけで指の間から逃げていくような感覚で、
作業台に置いてからも、一枚一枚、丁寧に、揃え直しました。
そのひと手間が、後の工程の精度を左右するからです。

▼窓抜き・貼り(Yさん)

丸窓はスムーズでしたが、半月の小窓が曲者でした。
通常、抜いた後の紙片(チップ)はエアーの力で弾き飛ばすのですが、
窓が小さすぎてエアーが十分に当たらない。
最初は刃の切れ味を疑い、刃圧を調整しましたが、
原因は窓のサイズと特殊紙の厚みのバランスにありました。

機械による自動除去を諦め、
抜き終わった後のチップをすべて手作業で取り除きました。
そして、フィルム貼り作業を行ったので、
通常の倍以上の時間をかけることになりました。

▼製袋(Wさん)

高速で回転する製袋機の中で、わずかなズレも許されません。
今回はあえて機械の回転速度を落とし、この紙にあわせ特別な調整を施しました。
さらに大変だったのは機械のデリバリーから排出された商品を100枚束でそろえて、
糊をつけた部分を押さえて検品し、箱入れをする作業です。
100枚の束を作ろうとしてもツルツルと滑ってしまうため、
指先に神経を集中させ、1枚ずつ品質を確かめながら箱に収めました。

気になるトナリの封筒 ザ・ワールド

スウェーデンの封筒

今月ご紹介するのは、オランダで発行されたFDC(初日カバー)です。
1967年に発行された、子どものためのチャリティー切手が貼られたこの封筒。



オランダの封筒
 

注目は、左側に大きくプリントされたイラストです。
シルクハットを被ったくまがトランプを持っており
とてもチャーミングですよね。

これは「カシェ」と呼ばれる、
その日の記念のために
特別にデザインされたものだそうで、
この部分は触れると独特の質感があり、
裏面にも型押しのような跡が残っていて、
まるで活版印刷のような仕上がりです。

切手や封筒のデザインはもちろん、消印も楽譜のような形をしていて、
すべてが絵本の世界のように可愛らしい一通です。
この封筒は1967年発行ですので、今から約60年前のもの。
レトロ感たっぷりで、経年変化により製袋箇所が剥がれてしまっている点にも、
重ねてきた年月を感じる素敵な資料です。

「レトロ」というワードで思い出しましたが、
最近「アデリアレトロ」というブランドのグラスを購入しました。
その名の通り、レトロな雰囲気のイラストがプリントされたグラスで、
一目惚れして買ったのですが……。
あまりに可愛すぎて使うのがもったいなく、実はまだ箱に入ったままなんです。
心機一転、2026年を契機に開封して、
家事のモチベーションを上げようかな、なんて考えています(^^)   (角谷)

作品事例【 常陸国出雲大社 樣 】

今月は「常陸国出雲大社樣」の封筒をご紹介いたします!

「新・星物語」の「クロウ」という色の紙を使用し、縦型の封筒を作成しました。
厚みは110kgのため、一般的な封筒に比べしっかりとした厚みがございます。

封筒の下部には銀の箔押しでロゴと会社情報を加工いたしております。
紙に漉き込まれている銀の繊維と相まって、とても美しい仕上がりです。
高級感も風情もあり、ついつい手に取って光にかざしてみたくなりますね。

黒い紙のため、印刷は「金・銀・白」の特殊なインクのみの承りとなりますが、
更に輝きを追求したい場合は「常陸国出雲大社樣」の封筒のように
「箔押し」を推奨しております。
金箔、銀箔の他にメタリック系、ホログラム系、顔料系の箔押しと
種類が豊富でございます。
使用する紙やデザインにぴったり合う箔押しをお探ししますので、
ぜひお気軽にご相談くださいませ。

箔押しは通常の印刷と比べて、細かいデザインになると潰れやすくなります。
ロゴデータやイラスト、小さな文字を作成の際はご注意くださいませ。
また、印刷に重ねる場合や、2種類以上の箔を使用する際には
版ズレが起こる可能性がございます。
デザインをお送りいただけましたら確認いたしますので
お気軽にお送りくださいませ!

「新・星物語」のように模様の入った紙を使用すると、
数ある封筒の中から目を惹きますが、「箔押し」をすることで、
さらに印象に残る封筒となります。
他にはない社用封筒を作成の際はもちろん、
商品のパッケージにももってこいですね。

当店では様々な特殊紙の作成実績がございます。
「封筒に出来るかな?」という疑問にもお答えいたします!
通信サンプルの在庫があれば、過去のものもお送りできますので、
気になる紙があればどんどんお問い合わせください!
(蓮池)

編集後記

今月も封筒屋通信をお読みいただきありがとうございます!

編集長は言わずもがな海と鮫が好きなのですが、
ここ最近は飛行機に乗る機会が多かったこともあり、
空っていいなあ…と漠然と考えるようになりました。

何度見ても雲を通り抜ける瞬間や、
街並みが模型のように小さく見えるのが非現実的で、
夢を見ているような間隔になります。

海は広大で、眺めていると人間の悩みなんてちっぽけに思えるのですが、
空も同じように果てがなく、自分自身が大きくなったような錯覚もあり、
頭の中を埋め尽くしていたものがどんどん小さくなっていく気がしました。
そんなこんなで生まれた今月の封筒サンプルです。

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