伝統技法の再現「ぐびき」
いつもお世話になっております!緑屋紙工の高比良です。
まだまだ残暑が厳しい日々ですが、少しずつ秋を感じることもできているのではないでしょうか?
季節の変化などを感じ、楽しめるような大人の感覚が欲しい今日このごろでございます…(‘_’>)。
さて、今回ご紹介させて頂く紙は、こちらの「ぐびき」でございます!
この「ぐびき」ですが、質感はマット調の柔らかい手触りで、印刷では表現できないような深みのある色が特徴です。
また摩擦により傷や光ることがある非常にデリケートな一面も持ち合わせています。
「ぐびき」という名前の由来ですが、印刷技法のひとつである木版印刷で行われる「具引き(ぐびき)」という作業を誌面に再現した紙とのことです。
具引きとは…貝殻を粉末にした胡粉(ごふん)と膠(にかわ)を練り混ぜて紙に塗布していく作業のこと。
塗布された状態を再現しているため、紙の表裏で色も違っており、手触りとあわせて両面を楽しむことができます。
今月のサンプル ~お月見封筒~
今回は「ぐびき」を使ってお月見をモチーフにした封筒を作ってみました。
9月といえばお月見ですが、お月見は”十五夜”と呼ばれる一年で一番キレイな満月が出るという日に行います。
ちなみに今年の十五夜は9月24日(月)ですよ!
そんなお月見に見立てて「ぐびき」をつかった窓あきの封筒を作成しております。
丸窓にはセロファンなどは貼らずにオープンにし、封筒の中に「かぐや」というエンボス紙のカードを入れることによって月の表面を触れるような、そんな遊び心を取り入れてみました。
真っ黒な封筒に浮かぶ黄色いお月さんで、少し早めのお月見を楽しめそうです♪
こちらのサンプル請求も喜んで承っています。
今後も緑屋紙工は「面白い!」と思って頂ける仕様にドンドンチャレンジしていきます。
(封筒工房[緑屋紙工] 高比良)
封筒屋スタッフブログより
Instagramの流行にともない「フォトジェニック」という単語をよく耳にするようになりました。
フォトジェニックというと、ギターを想像してしまうのですが「写真映え」という意味合いで使われる言葉だそうです。
俗にいう「インスタ映え」と同義ですね。
写真を見せてもらった時に「お~、なるほど~。」と思いました。
カメラの支店を変えるといつも見ている封筒がとたんに「フォトジェニック」な印象になります。
私もとても参考になりました。(*’▽’)
封筒をつくる その1『断裁』~現場レポート~
封筒はどのように作られているかご存知でしょうか。
封筒に限らず自然と身の回りにあるものは、当たり前に存在するので、考えたこともないかもしれません。
でも、形あるものは必ず誰かが作っている。ということで、加工レポートでは初心に帰って封筒の作り方を詳しくご紹介します。
前提として封筒は紙製品なので、弊社での加工は以下のような作業になります。
切る / 抜く / 折る / 貼る / 付ける
この、個々の工程を高精度かつ大量に素早く作業するのが、我々の仕事になります。
今回は「切る」工程にスポットを当ててお話ししましょう。
弊社の作業工程で言うと「切る」=「断裁」となります。
断裁は大きな紙をバッサリ切る作業
緑屋紙工に入荷する主な紙は、以下のような大きさです。
①四六判(788mm×1091mm)一般的な事務机くらいの大きさ。
②菊判(636mm×939mm)四六判よりひと回り小さい。
これらがおおよそ5,000枚くらいで大人の腰の高さ程度になります。
ということは、お客様からご注文頂いた一つの案件は、「事務机程度の大きさの紙が、自分の腰くらいまで積まれている」量となります。
断裁工程では、これを封筒1枚の展開サイズになるよう、小分けに切っていきます。
ただ、「切る」と言ってもプロの仕事は2等分や4等分ではありません。
例えば、1枚の大きな紙には封筒サイズによって、封筒1枚分~6枚分ほどを印刷(丁付け)しますので、正確に切り分けなければ封筒になった時に印刷の位置が揃いません。
切っていくためのガイド(トンボ)や、原稿を元に「切っていく順番」と「切る位置」を間違いなく計算し、断裁機と呼ばれる機械へ順番通りに数値入力して、一遍ずつバッサリと切っていきます。
以上が断裁の段取りとなります。
次号以降では、抜きの工程をご紹介させていただきます。
(緑屋紙工[封筒工房]品質管理課:石飛)
お客様作品事例「窓のかたち」
【ものづくりびと home 様】
いつも封筒屋通信をご覧いただき、誠にありがとうございます。
最近は、事務用品としての封筒だけではなく、パッケージ用に封筒をご注文いただく機会も増えてまいりました。
パッケージ用の封筒は、商品に合った封筒サイズ、紙質が求められることはもちろんですが、窓の仕様にもひと工夫されるお客様がいらっしゃいます。
商品がキレイに見えるように、大きなサイズの窓にしたり、今回ご紹介いたします「ものづくりびと home 様」のように変形窓(丸窓)にしてパッケージの印象をアップされる方もいらっしゃいます。
通常は封筒の左上に四角い形で配置されることが多い窓ですが、当店では可能であれば様々な位置で窓加工を承っております。
(※ギザギザした形は機械に引っかかるため、丸みを帯びた形状を推奨させて頂いております。)
加工可能な窓の形状、配置位置は仕様によって微妙に変わってまいりますので、気になられた仕様がございましたらお気軽にご相談ください。
お客様の大切な商品を包むパッケージです!
一度、窓の仕様にもこだわってみてはいかがでしょうか。
(封筒屋どっとこむ 福崎)
その他のお客様作品事例はこちら→お客様封筒デザイン集
気になるトナリの封筒 ザ・ワールド「オランダ【教育と封筒】」
今回紹介するのはオランダの切手が貼られた封筒。児童福祉をテーマにしています。
消印が手のひらの形になっていてとてもオシャレですね。
切手は勉強をテーマにしているのでしょうか。ノートや鉛筆、黒板など学校にありそうな絵柄です。
オランダは、子供の教育に力を入れている国で、子供たちは世界で一番幸せ、とも言われています。
教育の自由が保証されていて、100好の学校があれば、100通りの違う教育方針があります。
平和的解決を目的に、問題の原因よりもその時に取る行動を重視しているそうです。
幸せな大人を育てる教育など多種多様で、転校や学年を変わることも比較的簡単にできるそうです。
封筒のサイズは188mm×100mmのダイヤ貼り。
フタに付いているアラビア糊が辺の端まで付いているのが印象的でした。
(封筒屋どっとこむ 鳥山)
編集後記
今月も封筒屋通信を最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。
編集長の蓮池です。
さて、通信に載せられる写真には限りがございまして毎回一番いい写真を選別しているのですが、ああでもない!こうでもない!と、毎月悩みながら封筒や見本帳などの写真を撮っております。
ちなみに右の写真はうまく影を入れて「三日月みたい!」と思ったものの、中の紙が「かぐや/十三夜」だったのと「お月見は満月では…」と我に返り、没となった写真でございます。
何事も日々勉強あるのみだと痛感いたします。
この通信で自分自身も成長でき、そして、よりよいものをお届けできるよう、精進いたします。