封筒Labo.

【取材レポート】箔押しの常識を覆す「マジックエンボス」

箔押し大調査ver1【取材レポート】箔押しの常識を覆す「マジックエンボス」とは?

こんにちは、封筒屋どっとこむです。
私たちは日々、「手に取った瞬間に心が動く封筒」を追求していますが、そのためには印刷や紙の知識だけでなく、最新の加工技術を知ることが欠かせません。

この「封筒Labo.」では、箔押し&エンボス加工にフォーカスしてシリーズで深掘り研究した内容をお伝えしていきます!

今回、私たちは箔押しやエンボスの「版」製造において国内屈指の技術力を持つ、ツジカワ株式会社様に色々とお話をお伺いいたしました。お目当ては、今業界で注目を集めている特殊加工技術「マジックエンボス」です。

「ただの浮き出しと何が違うのか?」「コストやデータ作成の注意点は?」など、デザイナー様や制作担当者様が一番知りたい「現場のリアルな知識」を深掘りしてきました。

1. マジックエンボスとは?——「ワンパス」で生み出す圧倒的な立体感

マジックエンボスによる圧倒的な立体表現のサンプル画像全体写真マジックエンボスによる圧倒的な立体表現のサンプル画像拡大写真

まず、マジックエンボスの定義について伺いました。一言で言えば、「箔を立体的に浮き上がらせる、進化系のエンボス加工技術」です。

最大の驚きは、その工程にあります。通常の表現で「箔押し」と「浮き出し(エンボス)」を組み合わせる場合、これまでは2回のプレス工程が必要でした。しかし、マジックエンボスはたった1回のプレス(ワンパス)で、箔押しと立体的な表現を同時に完結させることができます。

マジックエンボスによる圧倒的な立体表現のサンプル画像

ツジカワ様:「一つのデザインの中で『光沢のある部分』と『マットで光らない部分』を同時に視覚的に、箔の引っ張りなどで作り出すことができるのが、マジックエンボスの凄みです。これによって、他社の類似技術にはない、デザイン全体が一体となって浮かび上がるような、ダイナミックな表現が可能になりました。」

この「ワンパス」という点は、後述するコスト面でも大きなメリットを生んでいます。

2. 驚きの立体感を生む「データの魔法」と「版の秘密」

どのようにして、平面のデータからあのような複雑な凹凸が生まれるのでしょうか。その舞台裏は、まさにハイテクとノウハウの結晶でした。

●シルエットデータから立体を「生成」する

マジックエンボス滑らかな立体表現マジックエンボス角のある立体表現

マジックエンボスの入稿データは、意外にもシンプルな「シルエットデータ(ベクターデータ)」が基本です。ツジカワ様では、専用のソフトウェアを用いて、そのシルエットから立体的なグラデーション(陰影)を生成します。自動で生成したり、シルエットを面に分けて手動で立体感のあるデータを作成もできます。

マジックエンボスによる圧倒的な立体表現のサンプル画像

ツジカワ様:「データは無数の小さな三角の面で構成されるように処理されます。これにより、滑らかで自然な凹凸が表現できるのです。この立体化のプロセスこそが弊社のノウハウであり、まさに『マジック』の核心部分ですね。」

また、マジックエンボスの効果を存分に表現するには、細い面積のよりも広い面積に対してこの表現を施すほうが、より立体的に表現できるとのことです。

シルエットデータをお送りいただけましたら、お任せで立体的にデータをお作りすることもできます。その際、どのようなイメージになるのかのサンプル画像をお送りいたしますのでご安心ください。

●デザイナーが知っておくべき「0.15mm」の境界線

技術的な制約についても、非常に具体的なアドバイスをいただきました。

  • ▶︎ 解像度の重要性: 低解像度の画像データでは版にジャギーが出てしまいます。1200〜2400dpiの高解像度データが推奨されます。できれば、ベクターデータの持ち込みがいいです。
  • ▶︎ 線のピッチ: 立体感を出すための線の最小ピッチは0.15mm。これより細いと、箔の接着層が足りずに転写されない(箔飛び)リスクがあるそうです。
  • ▶︎ 「へこまし」の注意点: 基本は「浮き出し」ですが、「へこまし」を組み合わせる場合はパスを完全に切り離して指定する必要があります。

3. コストと材質:賢い使い分けのポイント

「特殊な加工は高いのでは?」という懸念についても、率直に伺ってきました。

箔押し機
版代と工程コストのバランス

マジックエンボスの版代は通常の約1.5倍ほどですが、「ワンパス(1工程)」で済むため、加工賃を抑えることができます。加工枚数が多いと、トータルのコストで見れば、2工程かける従来の浮き出し箔よりも安価に収まるケースもあり、大ロットのオリジナル封筒制作でも非常に魅力的です。
※マジックエンボスは別途、製版のデータ作成代が必要です。

マグネシウム版 vs 銅版

安価で細かい表現が得意な「マグネシウム版」と、耐久性が高く大ロットに最適な「銅版」。用途に応じた柔軟な提案が可能です。

4. 「知らないから選べない」をなくしたい〜これからの普及に向けて〜

箔押しシリーズその3【取材レポート】箔押しの常識を覆す「マジックエンボス」とは?

ツジカワ様は、「デザイナー様がこの技術の存在を知らないため、選択肢に入っていないことが最大の課題」だと語ります。過去に化粧品メーカーのデザイナー様に直接説明したところ、一気に採用が進んだ実績もあるそうです。

「どんな表現ができるか一目でわかるサンプルが欲しい」という私たちのリクエストに対し、ツジカワ様では現在、マジックエンボスの専用サンプル帳を制作中とのこと。完成次第、皆様にお見せできるよう準備を進めます!


今回お話を伺って確信したのは、マジックエンボスは単なる装飾ではなく、「ブランドの独自性」を証明する機能的な価値を持った技術であるということです。

「このロゴをマジックエンボスにしたらどうなる?」といった興味を持たれた方は、ぜひ封筒屋どっとこむへお問い合わせください。ツジカワ様と連携し、最高の仕上がりをご提案させていただきます。

【今回お話をお聞かせいただいた箔の製版企業様】
ツジカワ株式会社 https://www.tsujikawa.co.jp/
※「マジックエンボス」はツジカワ株式会社様の商標・技術です。

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